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角屋もてなしの文化美術館


令和7年企画展


「角屋のあかり展」開催のご案内


【開催趣旨】

江戸時代、屋内に「あかり」をとるために、油に灯心を浸して火をともす行灯(あんどん)や、ろうそくを立てて火をともす燭台(しょくだい)といった燈火具が使われておりました。また、建物の南面や東面から外光を取り込むための工夫として、明かり障子が使われました。


角屋に残されている「あかり」のさまざまなしつらいは、揚屋という職業柄、宴席の趣向に合わせたものとなっています。たとえば、各座敷には斬新な組子の明かり障子が取り入れられていますが、これはできるだけ多くの外光を取り込むはたらきと、饗宴の場として華やかさをかもす効果の両方を備えています。その代表ともいえるのが、二階八景の間の「衽組入子(おくみぐみいりこ)菱組(ひしぐみ)」障子四面です。組子の名前から、着物の衽の形からヒントを得たものと考えられますが、驚くほど現代的で斬新なデザインです。


また、夜になれば、宴の席を照らすために行灯や燭台が用意されますが、角屋では座敷ごとに、使われる燭台が決まっていました。二階座敷でしつらいに螺鈿(らでん)を用いた「青貝の間」で使用される燭台は、三脚形で鉄製の脚部に(とう)が巻き付けてあり、光の加減で螺鈿のような輝きを見せます。襖や障子の腰板を緞子張りにした「緞子(どんす)の間」では、華やかな牡丹を浮き彫りにした鎌倉彫の燭台が使われました。このほか、天井に扇面を張り付けた扇の間には、扇形の台座の燭台、翠簾の間には、菊の釘隠しに合わせて菊形の台座の燭台が用意されていました。


お膳が出され、食事がはじまると、お膳に合わせた低い膳燭(ぜんしょく)が用いられます。脚部の曲線が美しい「三足燭台」には、裏千家四代目の「仙叟(せんそう)好み」と箱書に記され、宴席でのもてなしに茶の湯のたしなみを取り入れていたのです。ふだん目にたたない照明器具から(こま)やかなセンスがうかがわれます。


このように本年の企画展は、角屋の「あかり」に着目し、もてなしに使われたさまざまな形の燈火具と、他に類のない明かり障子の斬新なデザインをお楽しみいただくことにつとめました。


この機会にぜひご来館くださいますようお願い申し上げます。


開催概要

開催期間と
休館日

前期 3月15日(土)〜7月18日(金)

*月曜休館、祝日の場合は翌平日休館。

*4月11日(金)〜13日(日)は行事開催のため臨時休館。

後期 9月14日(日)〜12月14日(日)の金曜、土曜、日曜、祝日のみ開館。ただし、10月30日(木)、11月の各木曜日は開館。

*祝日以外の月曜〜木曜休館。10月30日(木)、11月の各木曜日は開館。

開館時間

午前10時〜午後3時30分(受付終了)

入場料金

一般(大学生を含む)1,000円 中高生800円 小学生500円

2階座敷特別公開(要予約)別途料金 一般800円 中高生600円

*小学生以下はお断りしています。

人数制限と
案内時間

1階:1日6回(午前10時30分、11時30分、午後0時40分、1時30分、2時30分、3時30分)いずれも30分程度。各回20名様程度。

2階座敷特別公開:予約制で1日4回(午前10時15分、午後1時15分、2時15分、3時15分)いずれも所要時間30分。各回15名様。

当館は新型コロナウイルスおよびインフルエンザ等感染症の予防と文化財保護に努めながら公開を行っております。多くの方に安心してご見学いただけるよう、人数制限および案内時間の設定にご理解とご協力いただけますようお願い申し上げます。


令和7年3月17日

角屋もてなしの文化美術館


三脚形燭台
待合行灯
染付山水風景文燭台
太夫かしの式図 松田俊筆
衽組入子菱組障子(八景の間 窓障子)

出品目録

【燭台】

1 真鍮製燭台(松の間用)

江戸後期

一基

2 鎌倉彫燭台(緞子の間用)

江戸中期

一基

3 菊台座燭台(翠簾の間用)

江戸中期

一基

4 扇台座燭台(扇の間用)

江戸中期

一基

5 三脚形燭台(青貝の間用)

江戸中期

一基

6 染付山水風景文燭台

江戸後期

一基

7 黒漆塗鐘形燭台

江戸後期

一基

8 三つ脚燭台 中川浄益作

江戸後期

一基

9 三つ脚燭台 中川浄益作

江戸後期

一基

10 秋草文燭台

江戸中期

一基

11 菊形燭台

江戸後期

一基

12 花亀甲紋手燭

江戸中期

一基

13 手燭

江戸後期

一基

14 円形雪洞手燭

江戸後期

一基

15 龕灯(がんどう)

江戸末期

一基

16 網枠提灯

江戸後期

一基

 

【行灯・吊燈籠】

17 黒漆塗灯架

江戸後期

一基

18 朱塗六⻆形行灯

江戸後期

一基

19 手提木地行灯

江戸後期

一基

20 待合行灯

江戸後期

一基

21 吊燈籠

 

一基

22 六角吊燈籠

 

一基

 

【明かり障子】

23 腰高重舞良障子(旧松の間)

 

一面

24 吹き寄せ組子障子(緞子の間)

 

一面

25 桧垣の間障子(桧垣の間)

 

一面

26 衽組入子菱組障子(八景の間・非公開)

 

四面

27 籠目組子欄間障子(梅の間・非公開)

 

二面

 

【もてなしの器】

28 柳蒔絵膳椀揃

 

一式(一期)

29 鳳凰蒔絵膳椀揃

 

一式(二期)

30 吉野漆絵膳椀揃

 

一式(三期)

 

【絵画】

31 「太夫かしの式図」

松田俊筆

一幅(一期・三期)

32 「⻆屋の窓図」

三輪晃勢筆

一幅(二期)

 

【参考資料】

33 扇形・団扇型・隅丸矩形・
  松皮菱組明かり障子(青貝の間・写真)

 

一面

*【絵画】・【もてなしの器】のみ資料・作品保護のため、下記日程で展示替えを行います。

  • 一期 3月15日(土)〜4月27日(日)
  • 二期 4月29日(火)〜6月8日(日)
  • 三期 6月10日(火)〜7月18日(金)

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